落下した白頭鷲の首を掲げるインディオ

戦争のない時代に生まれてよかったね。

茶色く垂れた雲の先端を見つめて、歩きつづけなければいけない灰色の平坦な道路がある。
飽きるほど食べ続けた透明な鉛玉を血とともに吐き出し、その中に眠る女王の口付けを懇願する夜がある。
柔らかく暖かい寝床で不眠に苦しみながら迎える朝がある。
煌びやかなイルミネーションの下で燃え上がる人体を、泣き叫びながら手にした砂で消そうとする少女がいる。

それが私たちの戦争だ。淡々とどこまでも続く、遠い水平線のような戦争だ。