それはよかったことだと思う

サクラダサクラは大正海老の尻尾から半分くらいを齧りとり、残りをまた水槽に戻した。大正海老は上半分の体だけで再び泳ごうとし始めたが、尻尾がないのでどうしても浮かびあがることが出来ず、必死に足を動かしながらもゆっくりと沈降していった。海老の小さな黒い目を見ながら、サクラダサクラは口の中に残った肉片を噛み砕いた。