Pola

私たちは敵のいない戦争に駆り出されている。
共産主義は死んだ、ヒューマニズムは息絶えた、飢えははるか遠くのアフリカにだけある。
残っているのは私たちを乗せて永遠に回り続ける円盤しかない。
薄汚れた工場、巨大な官公庁、灰にまみれたトラック、塵一つないオフィス。
限りなく上昇を続ける、腐敗した砂の円盤。
その円盤の上を、私たちは自分で走っているつもりになっている。
しかし、地面が動いているのか、天が動いているのか、それとも私たちが動いているのか。

目的地はない。敵はいない。
ただ走らされている。
どこに行くのかわからないまま、なだらかな螺旋状の下り坂をぼんやりと滑っている。