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その日が終わらずに、何回も繰り返していることに村人たちが気づいたのは、いくつもの昼と夜が過ぎてからだった。
その事実を知ったとき、村は一種の恐慌状態に陥った。この世の終わりだと頭を銃で撃ち抜く者や酒瓶を抱えて幾晩も眠らずに飲みつづける者、燃やせるものには手当たり次第火をつけて回る者、女房以外の女に片端から手をつける者・・・・人々の中にまともに暮らす者はほとんどなくなり、村は地獄の蓋を空けたような有様になった。
だが、やがて彼が冷静に「だからどうしたの?今日が繰り返すからって何が違うっていうの?」と問い掛けると、なるほど、何も違わないじゃないか、と人々は納得し、自らが起こした気違い沙汰の舞踏祭をやめ、平常どおりの穏やかな生活へと戻っていった。