2005-06-14から1日間の記事一覧

緑色の狂気

蟻の大群に運ばれる彼の右足の親指に嵌められた指輪の深い緑色の宝石はいつの間にか転がり落ち、底の見えるほど澄んだ青の湖の中に沈む美しい男の死体の胸の真中に漂着して、百年を生きた黒なまずに一息で飲み込まれるまで、静かに空を見つめていた。